12月の誕生石を徹底解説!タンザナイト、ジルコン、ターコイズの魅力と選び方
2024年11月13日更新
12月の誕生石とは?
「タンザナイト(Tanzanite)」と「ジルコン(Zircon)、そして「ターコイズ(Turquoise)」。
この宝石たちの共通点は「12月の誕生石」であること。
12月の誕生石であるこの3種類の宝石は、それぞれのカラーバリエーションとして「青い色」を持っている宝石でもあります。
12月の寒さ・冷たさをカタチにしたような冬の宝石たち。
「タンザナイト(Tanzanite)」、「ジルコン(Zircon)、「ターコイズ(Turquoise)」という美しく輝く宝石たちのそれぞれの魅力をご紹介します。
12月の誕生石の由来とその魅力
実は国によって異なる誕生石。
4月の誕生石といえばダイヤモンドですが、フランスではダイヤモンドのほかにサファイアが制定されているなど、国ごとに制定されている誕生石に違いがあります。
日本の12月の誕生石には、タンザナイトにジルコン、ターコイズという、カラーバリエーションに「青」を持つ宝石が制定。
3月の誕生石である珊瑚(さんご)が桃の節句に合わせて取り入れられたといわれているように、冬の色を持つ宝石たちを12月の誕生石に定めたのかもしれませんね。
12月の誕生石にタンザナイトやジルコン、ターコイズが制定された理由は諸説あり、そこには商業的な理由も含まれています。
一方、宝石名は、宝石の産出地や発見者、外観的特徴がおもな由来となっています。
たとえばタンザナイト。
名前の由来は産出地です。
1967年にタンザニアで濃い青色のゾイサイトが発見されたことから、ティファニー社が「タンザナイト」と命名。
響きの良い宝石名に加え、なんといってもその独特な色が魅力。
深い青色から青紫色までを示し、角度によって見える色を変える「多色性」もあいまって、より神秘性を帯びている宝石です。
和名は「灰簾石(かいれんせき)」、または「ゆう簾石(ゆうれんせき)」。
つぎにジルコン。
由来はペルシャ語で「金の」を意味する「zargun」が転じたギリシャ語「zirkon」から。
高い屈折率と分散光が特徴で、まるで黄金のように輝く様子から名付けられたのかもしれませんね。青色をはじめ、赤褐色から黄色、緑色に灰色と多様な色を持つ宝石です。
和名は「風信子石(ひやしんすいし)」。
さいごにターコイズ。
由来は、中期フランス語で「トルコの石」を意味する「pierre Turquerise」から。
比較的柔らかく加工性に富んでいるため、ルース以外にビーズやカメオ、彫刻の素材というように、さまざまなカタチのターコイズを楽しむことができます。
和名は「トルコ石」。
タンザナイト、ジルコン、ターコイズの一覧と特徴
「タンザナイト(Tanzanite)」、「ジルコン(Zircon)、「ターコイズ(Turquoise)」。
12月の誕生石として愛されるこれらの宝石の由来と魅力をみてきましたが、つぎは「硬度」という特徴からそれぞれの宝石の魅力を探っていきましょう。
硬度とは「外側から加わる力」に対する弱さを表す、宝石の丈夫さの指標のひとつです。
鉱物の中で一番硬度が高いのがダイヤモンドで、その硬度は10。
タンザナイトの硬度は6から7。
ジルコンの硬度は7半。
ターコイズの硬度は5から6。
この3種類の宝石の中で日常使いに適した硬度を持っているのがジルコン。
次いでタンザナイトで、最も硬度が低いのがターコイズ。
硬度が高いからといって必ずしも傷がつかない、壊れないというわけではありませんが、ジルコンよりターコイズの方が注意が必要という点は忘れてはいけません。
とはいえ、どの宝石も着用後は柔らかい布で乾拭きを徹底する。
硬度が高い宝石でも、衝撃を避けることを意識して身につけてください。
宝石がセッティングされたジュエリーを購入する際には、硬度をはじめとするそれぞれの宝石の特徴を調べてから身に付けることをおすすめします。
タンザナイトの魅力と選び方
2021年に新しく12月の誕生石に加わった「タンザナイト」。
高品質のタンザナイトは、紫と青が混ざりあったような鮮やかな菫色(すみれいろ)を示します。
これまで青い宝石といえば、サファイアやターコイズ、ラピスラズリといった宝石が人気でした。
しかし、最近では「タンザナイト」の知名度も高くなりました。
タンザナイトのジュエリーを展開するジュエリーショップが増え、以前と比べると選択の幅も広がりました。
また、12月の誕生石以外に、結婚記念日24周年を祝うアニバーサリーストーンでもあります。
特別な輝きを放つタンザナイト。
すでに述べた魅力以外に、どんな魅力があるのでしょうか。
タンザナイトの特別なブルーの輝き
ひとつの宝石で多彩な色合いを持つトルマリンのような宝石もありますが、タンザナイトは異なります。
ゾイサイトのうち、青色から青紫色を示すものを「タンザナイト」と呼ぶためです。
「タンザナイト」は「タンザニア(Tanzania)」と、英語で石を表す「ite(またはlite)」が組み合わさって生まれた造語。
これはティファニー社によって命名されました。
ゾイサイトは青色の他に桃色、緑色や灰色があり、半透明から不透明の桃色のゾイサイトをチューライトと呼びます。
ゾイサイト自体はオーストリアやアメリカでも産出する鉱物ですが、タンザナイトが採れるのはタンザニアのメレラニ鉱山のみ。
産地が限定的であることと、産出量が年々減少していることから、タンザナイトは「ダイヤモンドより希少な宝石」と称されることも。
タンザナイトの魅力を高める、もうひとつの理由が多色性(たしょくせい)。
多色性とは、角度を変えると色が違って見える性質のこと。
多色性のある宝石は、タンザナイト以外にアイオライトやアンダリュサイト、クンツァイトがあります。
この多色性をタンザナイトで説明すると、正面から見た時は青色、少し角度を変えると紫色や灰色に見えるといったように、光源に関係なくひとつの宝石でも角度によって違った色に見えるという性質のことを指します。
特に、強い多色性を示すタンザナイトが高品質とされ、収集家の間でとても好まれています。
この多色性を活かすためには宝石のカット技術が重要です。
原石を見極め、多色性をより発揮するカットを行わなければ、タンザナイトの多色性を存分に発揮することは難しいためです。
人の手によって輝きを引き出されるダイヤモンドと同様に、多色性の顕著な美しいタンザナイトのルースは、腕の良い職人の技術があってこそ生み出されるのですね。
タンザナイトの石言葉と効果
タンザナイトの石言葉は「高貴」。
身につけることで深く思考ができ、物事を成功に導く効果を持つ宝石として、現在でも人気があります。
深い青を見ていると気持ちが落ち着き、冷静な判断ができそうな気がしますね。
タンザナイトの歴史と伝説
実は1967年の発見当時は人気のなかった「タンザナイト」。
ティファニー社がブルー・ゾイサイトに別名を付与したのは、発見された翌年の1968年。
ティファニー社がその美しさを讃え「タンザナイト」というコマーシャルネームを与えたことで、瞬く間に人気の宝石となりました。
宝石のコマーシャルネームには、他にも濃紺のトルマリンを指す「インディゴライト」などがありますが、知名度でいえば「タンザナイト」が抜きんでています。
正式な宝石名でなかったコマーシャルネームとしての「タンザナイト」は、現在正式な宝石名として鑑別書に記載されるほど。
では、私たち人間がティファニーに見出される前の「ゾイサイト」に価値を感じていなかったのかというとそうではありません。
古代ケルト民族の間では「霊力を授ける魔法の石」として崇められ、特別な儀式の際に首長が身につける装飾品にあしらわれていたとか。
また、原産地であるアフリカでは、緊張をときほぐし穏やかさをもたらすとして信じられていたようです。
私たちがタンザナイトに不思議な魅力を感じるように、古くからさまざまな地域で特別な宝石として用いられてきたのですね。
タンザナイトを使った人気アクセサリー
タンザナイトをあしらったジュエリーを選ぶなら、その独特な色合いで視線を惹きつけるネックレス、もしくはピアス・イヤリングがおすすめ。
青と紫が混ざり合ったニュアンスカラーは、服装やシーンを選ばずに身につける人の個性を引き出してくれます。
たとえばネックレス。
プリンセスカットを施したタンザナイトは、これ以上ないエレガントさを纏って。
ラウンドやオーバルといった丸みのあるカットとは異なるシャープな美しさを堪能できる一本です。
タンザナイトの上にセッティングした花びらをかたどった4石のダイヤモンドが、よりクラス感を演出しています。
ピアスなら、タンザナイトの魅力をシンプルに味わえるスタッドタイプを。
あたたかみのあるK18PGの地金が肌に馴染みながらも、紫がかったタンザナイトの魅力をより引き立てています。
合わせるアイテムを選ばないスタンダードなデザインなので、プレゼントとしても優秀なジュエリーです。
ゴールドとホワイトゴールド、地金によってタンザナイトの表情も変わるので、お好みのタンザナイトジュエリーを見つけてくださいね。
■おすすめタンザナイトジュエリー
タンザナイトジュエリーの手入れ方法と長持ちさせるコツ
サファイアと間違われることもあるタンザナイトですが、サファイアが硬度9であるのに対し、タンザナイトの硬度は6から7。
ジュエリーとして用いるには少し硬度が低い宝石のため衝撃は避けて。
また、一方向に完全の劈開を持つため取り扱いには充分に注意が必要です。
超音波洗浄器でのお手入れは避け、使用後は柔らかい布で乾拭きすることをおすすめします。
さらに、高温や急激な温度の変化にさらすことは厳禁。
タンザナイトが割れる恐れがあるため、着用時はもちろん保管場所も急激な温度変化のない場所を選んでくださいね。
ジルコンの魅力と選び方
タンザナイトと同じく、2021年に新しく誕生石に加わった「ジルコン」。
地球最古の宝石であるジルコンは、非常に高い屈折率と豊かなカラーバリエーションを持つ宝石です。
透明のジルコンはダイヤモンドの代用品として使われてきた歴史がありますが、ダイヤモンドとの違いをどこに見ることができるでしょうか。
ジルコンの種類と特徴
ダイヤモンドとの見分け方をご紹介する前に、混同されがちなキュービックジルコニアとの違いからみていきましょう。
簡単にいうと、キュービックジルコニアは人造石であり、ジルコンは天然石です。
このふたつの違いは、自然界に存在するか否か。
人造石は、自然界に存在しない化学組成の宝石だということ。
つまり、キュービックジルコニアは人間が人為的に生み出した鉱物なのです。
また、ジルコンは複屈折、キュービックジルコニアは単屈折といった特徴もあります。
複屈折とは結晶に光が入ったとき二つの光線に分かれる性質で、下に透けるものが二重に見えます。
ダイヤモンドも単屈折であるため、カッティングを施されたルースであれば見分けるのは容易。
宝石を覗き込んで、内部にカットした線が二重に見えるような顕著なダブリングが確認できれば、それはジルコンです。
ジルコンの石言葉と効果
ジルコンの石言葉は「平和」。
哀しみを取り除き、安らかな時間をもたらす宝石と伝えられています。
古くは、知恵と名誉、富をもたらし持ち主に危険を知らせるお守りのような石と信じられていたようです。
古代ギリシャでは「ヒヤシンス」と呼ばれており、和名も「風信子石(ひやしんすいし)」と表記。
また、鉱物のなかで最も歴史が古い宝石であり、約44億年前〜42億年前のカンブリア紀の堆積岩からジルコンが発見されています。
地球の誕生が約46億年前、生命の誕生の兆しがみえたのが38億年前ということを考えると、生命よりも先に誕生した「ジルコン」という宝石に神秘を感じますね。
プレゼントにおすすめのジルコンジュエリー
プレゼントにおすすめのジルコンジュエリーはネックレス。
特に地金にイエローゴールドを採用したデザインなら、ジルコンの華やかさをより引き立てるアイテムに。
オーバルカットのブルー・ジルコンに柔らかな輝きのホワイト・トパーズを添えたネックレスは、いつまでも愛されるオーセンティックなデザインがプレゼントに最適。
少し遊びが欲しい方には、ホワイトトパーズの他にもうひとつの12月の誕生石であるタンザナイトを留めたホースシューデザインのネックレスを。
サイズの異なるラウンドカットのカラーストーンが、肌に馴染みながらもほど良い主張をコーデにプラスしてくれます。
■おすすめジルコンジュエリー
ジルコンジュエリーの手入れ方法と長持ちさせるコツ
日常生活で身につける上で問題ない硬度をもち、熱や圧力にも強いとされているジルコン。
ただし、超音波洗浄器の使用は避けるのがベター。
また、一部の加熱処理されたジルコンは、長時間光の元に晒されることで褪色してしまう恐れがあります。
特にブルー・ジルコンの多くは加熱処理が施されているため、長時間陽の元に晒さないよう注意して身につけてくださいね。
ターコイズ(トルコ石)の魅力と選び方
12月の誕生石の定番「ターコイズ(トルコ石)」。
メンズのシルバージュエリーで用いられるイメージの強い宝石ですが、「スリーピングビューティー」と呼ばれる無地のターコイズがハイジュエリーで用いられたりと、根強い人気がある宝石です。
ターコイズの種類と特徴
ターコイズの種類は大きくふたつに分けられます。
無地のターコイズと、黒や褐色のスジが入った模様があるターコイズ。
一般的に出回っているものは模様があるターコイズで、この模様は「マトリックス」と呼ばれます。
マトリックスの入り方のバランスが良く、地色が美しいものであれば、無地のターコイズと同等に評価されます。
ターコイズの石言葉と効果
ターコイズの石言葉は「成功と繁栄」「健やかな体」。
紀元前から魔除けとして用いられてきたターコイズ。中世には危険が迫ると色を変えて持ち主に知らせるとも言われていたりと、お守り的な側面を強く持った宝石でした。
現在でもお守りのように身につける人も多く、「人から贈られると幸せが訪れる宝石」として信じられています。
特に「女性が男性に贈るとその効果が倍増する」といった逸話もあり、ターコイズが留められたメンズのシルバージュエリーが多いのはこうした理由もあるのかもしれませんね。
プレゼントにおすすめのターコイズジュエリー
ターコイズジュエリーをプレゼントに選ぶならピアスがおすすめ。
少し個性を演出するなら、カボションカットではなくファセットカットが施されたターコイズをセッティングしたピアスを選ぶのはいかがでしょう。
デザインの新鮮さはさることながら、ターコイズ特有の青色が顔周りを華やかに。
ターコイズジュエリーの手入れ方法と長持ちさせるコツ
硬度が低いため衝撃に注意するのはもちろんのこと、多孔質のため水分にも注意が必要。
長時間肌に触れていると、皮脂や汗によりターコイズの色が劣化してしまうことも。
また、高温によっても変色の恐れがあります。
タンザナイトやジルコンと同様に、超音波洗浄器は使用しないでください。
柔らかい布での乾拭きを基本として、着用後は毎回のお手入れを行なってくださいね。
12月の誕生石を選ぶ際のポイント
宝石を選ぶポイントは人それぞれ。
とはいっても、「カラー」や「宝石のもつ意味」、「予算」といったポイントは外せません。
まずは各宝石のカラーと意味から選ぶ際のポイントをみていきましょう。
各宝石のカラーや意味から選ぶ方法
「タンザナイト(Tanzanite)」と「ジルコン(Zircon)、そして「ターコイズ(Turquoise)」。
いずれも青色を持つ宝石ですが、透明石と不透明石で分けることができます。
タンザナイトは濃い青色から、夜明けの空のような青紫色を示す透明石。
ジルコンはその強い輝きに映えるネオンのような強い青から、透き通る水のような淡い青まで幅広い青色を示す透明石。
ターコイズは深みのある鮮やかな青色から、黄味を帯びた緑色まで示す不透明石。
単に「青」いっても、このように異なる「青」を示します。
紫っぽい青から黄味を帯びた青まで、さまざまな青色を選ぶことができるため、今流行りのパーソナルカラーからあなただけの「青」を選ぶことができますね。
パーソナルカラーに合わせた誕生石を選べるのは、バリエーション豊かな青色が揃う12月の誕生石ならではといえるでしょう。
意味で選ぶ際には、宝石の由来や石言葉をヒントにしてみてくださいね。
予算別に見るおすすめジュエリー
他の宝石にもいえることですが、石の大きさや品質などの複合的な要素が組み合わさって価値を決めるため、純粋にランク付けすることが難しい宝石。
それを踏まえた上で、価値の高いとされる順番に並び替えると「タンザナイト(Tanzanite)」と「ジルコン(Zircon)、そして「ターコイズ(Turquoise)」の順番になります。
予算を抑えたいならカジュアルにも身につけられるターコイズのジュエリーがおすすめですが、池田時計店ではタンザナイトのピアスやジルコンのネックレスをお手頃な価格でもご提供しています。
貴金属であるゴールドを地金に採用するなど品質にこだわりながら、宝石本来の美しさを堪能できるシンプルなデザインに仕立てています。
もちろん個性派の方にもご満足いただけるデザインのジュエリーや、ご褒美ジュエリーとしてぴったりなジュエリーなど、幅広くご用意しています。
どれも12月に誕生日を迎える大切な人のプレゼントにおすすめのジュエリーです。
まとめ
「タンザナイト(Tanzanite)」と「ジルコン(Zircon)、そして「ターコイズ(Turquoise)」。
異なる美しさで私たちを魅了する12月の誕生石の意味や石言葉、特徴を知ることで、それぞれの誕生石により魅力を感じることができたのではないでしょうか。
また、誕生石の選び方としてさまざまなポイントをあげましたが、そこだけにこだわりすぎずに、あなたの心に響くジュエリーを選ぶヒントとしてご活用いただけますと幸いです。
※ 記事中の商品以外の画像はイメージです。