10月の誕生石:トルマリンとオパールの魅力を解説!石の意味は?
2024年9月8日更新
10月の誕生石について
誕生石の由来と歴史
12の月と結び付けられている「誕生石」。
1月ならガーネット、6月ならムーンストーンにパールというように、生まれ月によって割り当てられている宝石が異なります。
「身につけていると幸運を呼ぶ」など、お守りジュエリーとしても人気が高く、ギフト需要も高い誕生石。
実は一般的になったのはつい最近のこと。
そもそも、誕生石の起源はいつなのでしょう。
旧約聖書の「出エジプト記」に記されていたユダヤの高僧が身につけた宝石が12つであったとか、バビロニア帝国で用いられていた星座石が関係しているなど、誕生石の由来は定かではありません。
誕生石の起源は紀元前にまで遡ることができますが、現在のように「誕生石を身につける」習慣が広まったのは18世紀ごろとされています。
そして1912年、アメリカの米国宝石商組合によって「誕生石」が正式に制定。
この時はダイヤモンドとルビーはリストに入っておらず、1952年の改定でダイヤモンドとルビーが追加され、よく知られている現在の「誕生石」となりました。
また、アメリカ以外でも誕生石の制定が行われ、イギリスで1937年、日本では1958年に誕生石を制定。
2021年12月、日本はじめての更新が行われました。
既存の19石に10石を追加。
10月の追加はありませんでしたが、誕生石が合計29石となり選択肢が大幅に広がりました。
現在でも国によって誕生石が異なるのは、国ごとに異なる好みや産出地を考慮しているからと伝えられています。
10月の誕生石としての意味
10月の誕生石であるトルマリンとオパール。
アメリカと日本以外の国では、10月の誕生石として制定されている宝石が少し異なります。
イギリスとオーストラリアではオパールのみ。
カナダでは、オパールとタイガーアイが10月の誕生石に制定。
フランスでは、日本で6月と3月の誕生石に制定されているパールとアクアマリンが10月の誕生石。
トルマリンの宝石言葉は「希望」「友情」「寛大」「忍耐」。
気持ちを上向きにしたいとき、何か目標に向かって頑張りたいときに力を貸してくれると信じられてきました。
オパールの石言葉は「苦しみを克服して幸福を得る」。
古代ローマ時代より、幸せと希望を象徴する「神の石」として、愛されてきました。
トルマリンの魅力
トルマリンの種類と特徴
「すべての色がある」「虹色の宝石」と称されるトルマリン。
名前の由来も「色の混ざった石」を表すシンハリ語の「turmali」から。
無色、ブラック、ブラウン、グリーンといったシックなカラーから、レッドやイエロー、ブルーといった華やかなものまで、同一の宝石とは思えないほどのバリエーションを誇ります。
その中でも有名なものが「パライバトルマリン」。
トルマリンの中で最も希少価値が高く、他の宝石にはない特有の蛍光ブルー、またはグリーンの輝きを放ちます。
トルマリンは、ピンクトルマリンなどの色名を冠したものだけでなく、色に基づく固有の名前を持つものもあります。
- ルベライト(レッド)
- カナリートルマリン(イエロー)
- インディゴライト(ダークブルー)
- ドラバイト(ブラウン)
- ショール(ブラック)
- アクロアイト(無色)
単色ではなく、ひとつの石に二色の層を示すものを「バイカラートルマリン」と呼びます。
バイカラーの中でも内側がピンク、外側がグリーンの同心円の層を成すものは「ウォーターメロントルマリン」と呼ばれ、名前の通りスイカのような愛らしい見た目が高い人気を誇ります。
このように、基本的には外観の色によって区別されますが、特に価値の高い「パライバトルマリン」は産地も重要とされています。
しかし、現在は「銅」と「マンガン」を含むブルーグリーンのトルマリンであれば「パライバ」を冠することを許されているのです。
色と効果
カラーバリエーション豊かなトルマリンの中で、10月の誕生石に制定されているのがトルマリン。
その中でも人気があるのが、可憐なピンクカラーのピンクトルマリンです。
一般的には恋愛運を高める効果があると信じられていますが、健康の向上や集中力・感受性を高める効果があるとも伝えられています。
ピンクトルマリンのおすすめアイテム
ピンクトルマリンのおすすめアイテムは、顔まわりを華やかに明るくしてくれるピアス・イヤリング。
柔和で可憐なピンクは、赤みをプラスしてくれるチークやリップのような存在感。
スタッドタイプでシンプルに。揺れるフックやアメリカンタイプならアクティブな印象に。
オパールの魅力
オパールの種類と特徴
「虹色の輝き」を持つオパール。
無色またはホワイトの地色を持つ透明度の高いものを思い浮かべるのではないでしょうか。
意外と種類が豊富なオパールは、大まかに「プレシャスオパール」と「コモンオパール」に二分できます。
ホワイトからブラックの地色と、遊色(ゆうしょく)効果を楽しめるのがプレシャスオパール。
単にオパールという時は、基本的にはプレシャスオパールを指します。
- 【プレシャスオパール】
- ブラックオパール
- ウォーターオパール
- ホワイトオパール
- ボルダーオパール
遊色効果は英語で「プレー・オブ・カラー」と呼ばれ、見る角度によってレッドやグリーン、イエローにブルーというまさに虹色の輝き。 プレシャスオパールは一般的には遊色効果を示し、顕著なほど価値が高いとされています。 遊色効果を示すプレシャスオパールに対し、遊色効果を示さないコモンオパール。 ただし、地色の美しいボッチカラーは、プレシャスオパールに負けない透明度と色の美しさが評価されています。 コモンオパールの中でも、レッドからイエロー、オレンジを示すファイヤーオパールは、赤みが強く美しいほど高く評価。 「メキシコオパール」、または「メキシカンファイアオパール」とも呼ばれ、稀に遊色効果を示すものも。
色と効果
オパールの色は地色と遊色効果、ふたつの要素の組み合わせによって説明できます。
まずは地色。
ブラックオパール、ホワイトオパール、ウォーターオパールは、それぞれ地色がブラック、ホワイト、無色。
半透明から不透明を示すホワイトオパールに対し、ブラックオパールは不透明、ウォーターオパールは透明と背景が明瞭。
ボルダーオパールもホワイトオパールと同じく半透明から不透明を示しますが、マトリックスルと呼ばれる褐色の母岩に付着しているため、ホワイトオパールよりはっきりとした遊色効果を堪能できます。
コモンオパールは透明から不透明まで幅広く、その中でもファイヤーオパールは透明から半透明を示します。
そして、遊色効果。
七色すべての色を示すものが価値が高いとされていますが、残念ながらそのようなオパールは多くありません。
単色を示すオパールもありますが、基本的には二色以上。
カラーはレッドが高品質とされています。
次いでオレンジ、グリーン。
そして、角度を変えても主要色が移ろわないものが高く評価されています。
たとえば、ある角度からはレッドを強く示していても、角度を変えるとパープルが強く示されるオパールより、どの角度から見てもレッドが主要色となるオパールが希少だということ。
また、遊色効果は地色によってもその効果を発揮します。
ウォーターオパールよりブラックオパールの方が、背景が暗いためより遊色効果が映えるのです。
そのため、オパールの中でもブラックオパールの人気は高く、希少価値も高いとされているのです。
オパールのおすすめアイテム
オパールのおすすめアイテムは、遊色効果を楽しめるリング。
手元の動きによって移り変わる色を堪能できるのはリングならでは。
晴れの日も雨の日も、また朝でも夜でもきっと異なる表情をみせてくれるオパールにきっと心奪われるはず。
10月の誕生石の選び方ガイド
自分に合った石の選び方
誕生石が複数ある場合、ひとつに絞ることが難しいですよね。
自分に合った石の選び方は、大まかに三つ。
ひとつめはデザインや色で選ぶこと。
手持ちのジュエリーを並べて相性を考える、色の組み合わせを意識する。
洋服がシンプル志向なら、差し色感覚でビビッドな色を選ぶのも良いですね。
ふたつめは、宝石の歴史や特性で選ぶこと。
石言葉や宝石の逸話を調べたり、誕生石それぞれのストーリー性に注視してみるのもおすすめ。
また、割れやすさに硬度など、使用シーンと宝石の特性がマッチするかを加味することも忘れずに。
みっつめに、実際に肌に載せた時の印象から考えること。
同じ宝石でも色は異なりますし、カットによっても宝石の印象が大きく異なります。
指にのせて、耳にあてて。
アイテムだけ見る時と大きく印象が変わるはず。
オンラインなら、石の直径や厚みを確認するなど、商品詳細から着用イメージを膨らませてみて。
石の手入れ方法
硬度7〜7半と、日常使用には問題ない硬さのトルマリン。
しかし、結晶内部にひびが入りやすいとされているため、超音波洗浄器は厳禁。
汚れた際にはセーム革などの柔らかい布で乾拭きをしましょう。
細部の汚れが気になる場合は、ぬるま湯と中性洗剤、柔らかい歯ブラシと洗面器を用意してください。
少し浸けたあと、汚れが気になる部分をこすり洗いし、よくすすいだあと水分を拭いてあげると綺麗になります。
誤って排水溝に落とさないよう、必ず洗面器の上で作業を行うようにしましょう。
5〜10%の水分を含むオパール。
熱や乾燥による石のひび割れを起こすリスクがあるため、高温や極度に乾燥する場所を避けて保管してください。
また、硬度が5半〜6半と、決して硬い宝石ではありません。
そのため、トルマリン同様超音波洗浄器は避け、柔らかい布で乾拭きをおすすめします。
プレゼントに最適なアイテム
10月の誕生石であるトルマリンとオパール。
プレゼントとして選ぶならネックレスがおすすめ。
リングのように細かいサイズ展開はなく、ピアスホールの有無も確認不要です。
もしすでにネックレスを持っていても重ねづけできるため、長さ調節が可能なアジャスター付きデザインを選ぶと喜ばれます。
まとめ
トルマリンとオパールの魅力を再確認
豊かなカラーバリエーションと踊るような遊色効果。
トルマリンとオパールは、特有の色と輝きから「虹色の宝石」と表現されることも。
10月の誕生石は多彩なカラーを持つトルマリンですが、お好みのカラーのトルマリンを選んで楽しんでみても良いかもしれませんね。